リチャード・シャルティエ
1971年生まれのミニマルサウンド/インスタレーションアーティスト、デザイナーです。 Trente Oiseaux (Germany), LINE (USA), Meme (Japan), Fallt (Ireland) などのレーベルでは評論的賞賛を受けたソロレコーディング作品を、12k (USA) ではノセイ・サカタ (*0)、テイラー・デュプリーやキム・カスコーンらとコラボレーション作品を制作し、また世界的な数々のコンピレーション作品に参加しています。彼のミニマリスティックな作品群は音や静寂、焦点、そして聞くという行為の間の関係性を探求し、名誉あるPrix Ars Electronica におけるデジタル・ミュージック部門で12の佳作賞のうちの一つを受賞した彼のCD Seriesは、Whitney Museum Of American Art (NY) での展覧会Whitney Biennial 2002において取り上げられています。
彼のヴィジュアル作品や音響作品は共にICC (Tokyo, Japan), Castello di Rivoli (Torino,Italy), Art Institute of Chicago, The Contemporary Museum (Baltimore), Diapason(NY)、そしてFusebox (DC)などの美術館やギャラリーで展示されています。パフォーマーとしてもシャルティエはMUTEK (Montreal), Transmediale (Berlin), Lovebytes (Sheffield), DEAF (Dublin), Observatori (Valencia,Spain), The Leeds International Film Festival (UK), The Rotterdam International Film Festival (NE)を含む北アメリカやヨーロッパ、日本における多数の著名なデジタルミュージック/カルチャーイベントに招待され自身の作品を発表しています。
テイラー・デュプリーと共に、彼は12Kの一部門として、現代的なデジタルミニマリズムの美学を探求する世界中のサウンドアーティスト達の作曲、インスタレーション作品を記録するレコーディングレーベル、LINEを設立しました。
Minoru Sato (m/s, SASW) + ASUNA
80年代末より"m/s"名義で物理現象と概念に焦点を当てたインスタレーション作品の制作や研究などを国内外で行ってきた佐藤実。
改造、解体されたリードオルガンを主軸にアルバム『organ leaf』、『room note』、そして10月には最新作『THIS』をリリースしたASUNA。
2人は2004年よりガラス管とリードオルガンを用いたライブ活動を展開。2007年にはアルバム『Texture in glass tubes and reed organ』(Spekk)をリリース。今年はこの2人に沖啓介を加えたユニットにて、ベルリン・トランスメディアーレのアワードにノミネート、ベルギーでの「Happy New Ears 08」に参加など国外にも活動の幅を広げている。
"colorfiled variations" curated by Richard Chartier
《概要》
『COLORFIELD VARIATIONS』は、1950年代に勃興した抽象表現主義のムーヴメント「カラーフィールド・ペインティング」を国際的評価の高い音楽家やメディア・アーティストが再解釈したオーディオ・ヴィジュアル作品集として、リチャード・シャルティエがキュレーションしたプログラムです。参加アーティストはフランク・ブレットシュナイダー、アラン・カレンダー、クリス・カーター+コージー・ファンニ・トゥッティ(Throbbing Gristle/Chris&Cosey)、スー・コスタバイル、エヴェリーナ・ドミニク+ドミートリー・ゲルファンド、マーク・フェル(SND/Blir)+アーネスト・エドモンズ、ティナ・フランク+ジェネラル・マジック、黒川良一、ステファン・マチュー、スティーヴ・ロデン、バス・ファン・コールワイク。このプログラムのために制作された新作も含まれています。
「カラーフィールド・ペインティング」は、ストライプやウォッシュなどの表現手法でソリッドな色彩の「場」をキャンバス上に出現させる抽象表現主義の一様式として、1950年代に勃興しました。そのムーヴメントの中心となり批評的な評価へと結びつけたのが、ワシントンDCの画家たちによるグループ「ワシントン・カラー・スクール」です。「カラーフィールド・ペインティング」の作家たちと「ワシントン・カラー・スクール」のメンバーは、元来、抽象表現主義が有していたエモーショナルなエネルギーや身体表現的な側面に対する反動として、固有性から距離を置き、色そのものが作品の主体となるような作風を好んで用いるようになっていきました。彼らはペインティングを基礎的な形式的要素へとブレイクダウンし、広大な面を色彩が支配する、徹底してシンプルな大型作品を造り上げることに執心しました。やがて60年代初頭になると、「カラーフィールド・ペインティング」はアメリカ絵画の新しい方向性を示す抽象主義の第二世代へとつながる若いアーティストを表す言葉として認識されるようになりました。クリフォード・スティル、マーク・ロスコ、モーリス・ルイス、ケネス・ノーランド、ヘレン・フランケンサーラー、レオン・バーコウィッツ、フランク・ステラといったアーティストたちは、視認可能な像をキャンバスから排除して単一的なイメージへと凝集させる作風を通じて、抽象表現を獲得するに至りました。
『COLORFIELD VARIATIONS』は、Washington Project for the Artsのイベント「Color Field. Remix」の一環として企画され、2007年の4月から6月にかけてワシントンDCのCocoran Gallery of Artにて展示されたプログラムです。その後、これまでにHammer Museum(ロサンゼルス)、Issue Project Room(ニューヨーク)、G Fine Art(ワシントンDC)、Arlington Arts Center(ヴァージニア)、Decibel Festival(シアトル)、Cimatics(ベルギー/ブリュッセル)、Laptopia04(イスラエル/テル・アヴィヴ)、Plateaux Festival(ポーランド/トルン)を巡回、上映されてきました。
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《出展者の日本語表記と出身国》
スティーヴ・ロデン(アメリカ)
アラン・カレンダー(アメリカ)
フランク・ブレットシュナイダー(ドイツ)
ステファン・マチュー(ドイツ)
スー・コスタバイル(アメリカ)+ビークイーン(オランダ)
ティナ・フランク+ジェネラル・マジック(オーストリア)
バス・ファン・コールワイク(オランダ)
クリス・カーター(イギリス)+コージー・ファンニ・トゥッティ(イギリス)
黒川良一(日本)
エヴェリーナ・ドミニク+ドミートリー・ゲルファンド(ロシア/アメリカ)
アーネスト・エドモンズ(オーストラリア)+マーク・フェル(イギリス) |